T流

創刊号 2008
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表紙の写真/友禅流し

澄んだ水が流れる川面に、長い布が錦鯉が泳ぐようにゆらぐ。職人が布を引き寄せては流す動作を繰り返すと、描かれた文様が一段とあでやかさを増していく…。

かつて金沢の市街地を流れる犀川や浅野川でよく見られたこの光景は、加賀友禅の工程の一つ「友禅流し」です。金沢の風物詩として知られる友禅流しは、生地についた糊や余分な染料を水で洗い流す作業で、きれいな水を大量に必要とします。金沢が水に恵まれた土地であったことも、今日の加賀友禅の発展に大きな役割を果たしました。

近年、友禅流しは染色団地内で地下水を汲み上げて行うのが一般的となりました。しかし、日常的に見られなくなった今でも、友禅流しが“着物の似合う町金沢”の象徴であることに変わりはありません。